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【労使トラブルの未然防止について】 |
10/1号ハンドシェイク掲載 |
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今年5月の厚生労働省の発表によれば、平成18年度に全国300箇所に置かれている総合労働相談コーナーに寄せられた労働相談の数は94万件を超え、そのうちの約2割は民事上の個別労働紛争に関するものでした。昨年度までと比べると、増加率は10%超から4.2%(民事上の個別労働紛争に関するものは6.2%)に減少したものの、平成13年の総合労働相談コーナー開設時から一貫して相談件数が増え続けていることがわかります。ちなみに千葉県10箇所での相談件数は25,411件、そのうち民事上の個別労働紛争に関するものは4,763件でした。 相談の中身については、民事上の個別労働紛争に関してのみ公表されており、それを見ると解雇に関するものが一番多く23.8%、次いで労働条件の引下げ12.8%、いじめ・嫌がらせ10.3%、退職勧奨7.3%と続いています。 では、このような労使トラブルを未然に防止することができないものでしょうか? 残念ながらゼロにすることは不可能ですが、少なくすることは可能です。それには基本的に次の3つの方法が有効でしょう。
1.労働条件を書面で取り交わす 労働基準法では、労働契約を締結するに当たり、使用者に労働条件を明示する義務を課しています。また、明示する内容によっては、後のトラブルを避けるために書面交付のものもあります。これは、当然ながら社員、アルバイトといった雇用区分に関係なく義務づけられているものです。例えば、アルバイトなどの有期雇用者に対しては契約更新の有無やその判断基準を、例えば、賃金に関してはその計算方法や昇給などの有無を、採用する労働者に知らせてくださいというものです。この明示だけでも、当事者双方の誤解が解消され無駄なトラブルが避けられます。 2.就業規則を作成(見直し)し、労働者に周知する 同じく労働基準法は、常時10人以上の労働者が働く事業場において就業規則を作成の上、行政官庁への届出と労働者に対する周知の二つの義務を課しています。その内容も(1)労働時間や賃金、退職に関してなど必ず記載するもの、(2)安全衛生や災害補償、表彰や制裁などルールを設けるならば必ず記載するもの、(3)経営理念や服務など任意に記載できるものがあります。会社の実態に合わせながら、かつ、それが法令に抵触しないよう定め、労働者に周知してください。就業規則は会社で働く上のルールブックです。ルールが不明瞭だと当事者双方の解釈に違いが生じます。労働者の人数に関係なく、ルールを守って働いてもらうために就業規則を整備しておきましょう。また、会社の業務も就業実態も変わることがあります。労働に関する法律も変わります。必ず定期的に見直しをしましょう。 3.使用者(管理監督者)が労働法規を勉強しておく 残念ながら、前記1や2を行ってもトラブルはなくなりません。特に、やむを得ず解雇や労働条件の引下げなどを行う場合は、慎重を期さなければなりません。そこで、3番目に必要なことは、普段から使用者(あるいは管理監督者)は労働法規を勉強しておくということです。労働判例にもできれば目を通しておきましょう。人を使うということは非常にリスクを伴うことです。車の運転をする場合でも交通法規を知らなければできません。いわんや人を使うのに労働法規を知らないでは大問題です。例えば社会保険の加入ひとつをとってみても、本人が入りたくないから加入させない、としている場合があります。もし、本人が未加入中に大怪我をしてしまったら、休業中の所得保障はどうするのか?障害を負ってしまった場合にどうするのか?といった視点が欠けています。もちろん、社会保険料の負担増や法律と実態との乖離などの問題もありますが、無駄な労使トラブルを避けるためには、まず労働法規を勉強し、予期せぬ事態に対応可能としておくことです。 最後に 「人は石垣、人は城、人は堀。情けは味方、仇は敵なり」と言ったのは戦国時代の名将、武田信玄公ですが、その信玄公でさえも甲州法度(ルール)を作成し、人心掌握を行って領国を発展させました。経営者の皆様におかれましても会社のルールを明確にし、労使トラブルとは無縁の、人を活かした経営により益々のご発展をお祈り申し上げます。 |

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